アレルギー科
花粉症、蕁麻疹、アレルギー性皮膚炎の診断治療しています。
難治性花粉症に対しては、スギ花粉(シダトレンスギ花粉舌下液)、ダニ抗原(ミティキュアダニ舌下錠)を使用したアレルゲン免疫療法(減感作療法)を開始しました。 これはアレルギー疾患に対して、対症治療ではなく根本治療となります。アレルギー性鼻炎に対して保険適応となります。また、従来の皮下注射による減感作療法と比し、 容易に継続的治療を期待できます。
『View39』とは
採血で重要なアレルゲン39項目を同時に測定できる検査です。
問診から原因アレルゲンが推定できない場合や鼻炎、花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルゲンのスクリーニング検査として有用です。View39は、日本人がアレルゲンになりやすい39項目を選出してあり、一度の採血で39項目のアレルギー検査をすることができます。
保険適用でおこなうことができ、1週間前後で検査結果がわかります。
「アレルギーで鼻水が止まらないけどなぜだろう」「毎年決まった季節に目がかゆくなるけど、原因がわからない」
アレルギー性鼻炎・結膜炎、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性じんましんなどの症状が出ている方は、症状を引き起こしているアレルギーを特定すること、アレルギーによるものかどうかを調べることが、治療の第一歩となります。
『View39』は、一度の少量の採血で、39種類のアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)を調べることができる大変便利な検査です。
医師の診断により、症状のある方で問診等で原因が特定できない方には健康保険が適用される検査です。
■費用について
平成27年4月に新しくできた血液検査のセットで、アレルギー症状の起きやすい39項目を13項目分の費用で一度に検査できます。 検査費用は3割負担で約5,000円となります。
■検査項目について
検査対象となるアレルゲン39項目は以下のとおりです。
吸入系アレルゲン
<吸い込んで体に入るもので、アレルギーの原因となりやすいもの>
室内の塵:ヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト
動物:ネコ、イヌ
昆虫:ガ、ゴキブリ
樹木:スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ
草:カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ、オオアワガエリ
カビ:アルテルナリア(スズカビ)、アスペルギルス(コウジカビ)、カンジダ、マラセチア、ラテックス
食餌系アレルゲン
<食べて体に入るもので、アレルギーの原因となりやすいもの>
卵:卵白、オボムコイド
牛乳:ミルク
小麦:小麦
豆、穀物、ナッツ類:ピーナッツ、大豆、そば、ごま、米
甲殻類:エビ、カニ
果物:キウイ、りんご、バナナ
魚、肉類:マグロ、サケ、サバ、牛肉、豚肉、鶏肉
アトピー性皮膚炎
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軽微 |
ステロイドを含まない外用剤(ワセリン、尿素軟膏、ヘパリン類似物質含有軟膏、亜鉛華軟膏、親水軟膏など)を選択する。 レスタミン軟膏、ケラチナミン軟膏、ヒルドイド軟膏、プロペトなど |
軽症 |
ミディアムクラス以下のステロイド外用剤を第一選択とする。 リドメックス、アルメタ、キンダベート、ロコイド |
中等症 |
ストロングないしミディアムクラスのステロイド外用剤を第一選択とする。ウイーククラスでは通常十分な効果は得られない。 リンデロンV |
重症 |
必要かつ十分な効果を有するベリーストロングないしストロングクラスのステロイド外用剤を第一選択とする。ミディアムクラス以下では通常十分な効果は得られない。痒疹結節でベリーストロングクラスでも十分な効果が得られない場合は、その部位に限定してストロンゲストクラスを選択して使用することもある。 アンテベート、ネリゾナ、フルメタ |
※ステロイド外用剤の剤型:軟膏、クリーム、ローション、テープ剤などの剤型の選択は、病変の性状、部位などを考慮して選択しています。
※外用回数:1日2回(朝、夕:入浴後)を原則とする。ただし、ステロイド外用剤のランクを下げる、あるいはステロイドを含まない外用剤に切り替える際には、1日1回あるいは隔日投与などの間歇投与を行いながら、再燃のないことを確認する必要がある。
内服薬(補助的)
アトピー性皮膚炎は自覚症状としてはそう痒を伴うことが特徴であり、その苦痛の軽減を痒みによる掻破のための悪化を予防する目的で抗ヒスタミン作用を有する薬剤を使用します。抗アレルギー剤に有するケミカルメディエーター遊離抑制作用などのいわゆる抗アレルギー作用は、外用療法の補助療法としての効果を期待するものであり、単独でアトピー性皮膚炎の炎症を抑制しうるものではありません。
<1日1回服用>
◎ザイザル5㎎(レボセチリジン)眠気少ない ジルテックの改良 ジルテックより少量で効果も持続もあり
◎エバステル5㎎(エバスチン)眠気少ない
◎アレジオン20㎎(エピナスチン)眠気少ない
〇ビラノア20㎎(ビラスチン)眠気なし 即効性あり ただし、空腹時服用
<1日2回服用>
◎タリオン10㎎(べポタスチン)眠気ややあり 即効性あり
ヒスタグロビン注射
ヒスタグロビンは、ヒスタミンと免疫グロブリンを合わせた薬のことです。
人の献血で採取された血液のうち、γグロブリンという免疫に関与する細胞を集め、これにヒスタミンを加えることで、抗ヒスタミン作用を強く持つようになります。
このヒスタグロビンは非特異的減感作療法と呼ばれ、特定のアレルギー原因物質に対して感受性を低下させる"特異的減感作療法"とは異なり、アレルギー疾患を体質から改善する根本治療です。
そのため、スギ花粉以外が原因の人にも効果を発揮する治療です。複数のアレルギー物質がある人では、ヒスタグロビンでアレルギー反応を抑えることは効果的です。また、ステロイド注射とは違い副作用が極めて少ないことが特徴です。
当院ではアレルギー諸症状の鎮静化に効果的なノイロトロピン注射も併せて行うことが可能なっております。ヒスタグロビン注射とノイロトロピン注射との相乗効果が期待できます。
ヒスタグロビンが適応なる人
花粉症の症状がきつい中等度以上の人がヒスタグロビン注射の対象になります。
ヒスタグロビン注射は、週に1回から2回受診する必要があります。これを3週間続けることで、初めて効果が期待できます。3週間注射ができない方は効果が不十分となってしまうため、毎週通院して注射が可能な方が対象になります。
ヒスタグロビン注射の投与方法
花粉症の症状が出現したら、ヒスタグロビン注射1バイアルを注射用水1.5mLに溶解し皮下に注射します。通常1回1バイアルを、成人では週1~2回で計3週間を行います。これを1クールとするので、3週間の間に3~6回投与します。
十分な効果のあらわれない場合には、更に1クールの注射を行います。この場合は1回投与量を最高3バイアルまで増量することができますので、症状をみながら増量を検討します。当院では1回投与量は2バイアルまでで実施しています。
これがヒスタグロビンの投与方法になります。効果が認められたら、維持療法として注射を行っていきます。
ノイロトロピン注射との併用も有効です。
ヒスタグロビン注射が使えない方
- • 過去にヒスタグロビン注射を打ってショックの既往歴がある方
- • 激しい喘息発作のある方
- • 月経前後・妊娠の可能性のある方
- ※これは一時的に、アレルギー症状が強まってしまうことがあるためです。3週間生理が来ない時期と注射の時期を合わせるのは難しいかもしれません。そのため男性のほうが、ヒスタグロビン注射は向いていると考えられます。
- • その他、疑問点などがあればお気軽にクリニックまでご相談ください。
ヒスタグロビン注射の費用
ヒスタグロビン注射の費用は保険適応ため3割負担の方で1回1200円程度、再診は1回600~700円程度となります。ノイロトロピン注射と併用の場合は初診で1回1300円程度、再診は1回800円程度なります。
抗ヒスタミン薬など内服薬だけではコントロールできない人は、ヒスタグロビン注射を検討してみてください。