認知症・脳梗塞後遺症
幹細胞治療(≒エクソソーム治療)で、認知症と脳梗塞後遺症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの脳の病気を改善する可能性が報告されてきています。
■認知症
認知症には、脳が萎縮するアルツハイマー型認知症と脳梗塞、脳出血が原因で起こる血管性認知症の2種類がありますが、アルツハイマー型認知症は、症状がでる前に対策をたてることが必要です。現在の医療では、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせることはできますが、治療することはできません。一方、血管性認知症は、症状がなだらかに進行するアルツハイマー型認知症と比べ、脳梗塞や脳出血を起こして進行するため、段階的に症状が進行します。
アルツハイマー型認知症の原因は、アミロイドβというたんぱく質が増加し溜まることで発症します。一方、血管性認知症は脳の血管が詰まる脳血管障害が原因です。なかでも、脳梗塞による発症リスクが高く、全体の70〜80%を占めており、高血圧や糖尿病などの生活習慣病も深く関係しています。脳卒中後認知症は脳梗塞を含めた脳卒中の後遺症として重要なものです。脳卒中後認知症の頻度は、脳卒中後数カ月から1年の間で10%、脳卒中再発後に30%以上であるとされています。認知症も運動障害と同様に梗塞巣の大小にかかわらず発症することが知られており、小さな脳梗塞でも発症することがあります。また、脳卒中のエピソードが明確でない脳血管性認知症においても認知機能が改善する可能性が期待されます。物忘れがひどくなってきた、なんとなくイライラする・怒りっぽくなるなどは認知症の初期症状と言われています。
近年、脳卒中後遺症に対する自己骨髄由来幹細胞の静脈投与が安全かつ大きく奏功するという国内外の報告が相次いでいます。しかし、幹細胞の点滴はクリニックでしかできないため、医療法人慶承会のクリニックでは、胎盤由来幹細胞培養上清液の点鼻と経静脈的に全身投与することで脳梗塞後遺症を対象とした治療を行います。当院に来院できない患者さまは、点鼻での治療を継続的に行います。
■脳梗塞後遺症
脳梗塞は、はじめは軽症であっても何度も再発を繰り返しながら後遺症が重くなっていく病気です。一旦脳梗塞を起こすと、ほぼ完治する人は約20%で、73%の方は何らかの後遺症を残し、死亡する人は7%と報告されています。一度脳梗塞を起こした患者さんは再発しやすく、発症後1年で10%、5年で35%、10年で50%の人が再発するといわれています。また、脳卒中後認知症の頻度は、脳卒中後数カ月から1年の間で10%、脳卒中再発後に30%以上であるとされています。
現在は、急性期治療の発達に伴い死亡率は低下し、機能予後も改善してきています。しかし、医療行為が最適な時期に最適な方法で受けられるのは一部であり、また慢性期に有効な治療がほとんどないことからも介護保険の要介護認定患者の原因疾患では未だに脳卒中が1位(36.6%)を占めているのが現状です。
脳梗塞の代表的な後遺症には運動障害と認知機能低下があります。運動障害に関しては、日常生活に与える影響は梗塞巣の大小よりも、むしろ梗塞部位とそれに関連する神経症状の部位によって決定され、リハビリが必要です。そのため、脳梗塞後遺症を改善させるためには、リハビリをしながら、エクソソームの点鼻をすることで、脳梗塞を起こした領域の血流を再生が期待できます。もちろん、点鼻に加えて、エクソソーム点滴を追加することで、さらに効果が期待できます。
■筋萎縮性側索硬化症(ALS)
筋萎縮性側索硬化症(ALS)とは体の筋肉が次第に衰弱して体が動かなくなる病気です。初期の症状として手足が痺れてしまったり、滑舌が悪くなったり、今まで簡単にできていた動作が難しくなってきます。症状が進行すると顔面や手足、舌を動かす機能や食事を飲み込んだりする(嚥下)機能にも支障が発生します。
しかしながらこの症状は体の筋肉自体に問題があるのではなく、脳からの指令によって筋肉を動かす神経系統(運動ニューロン)になんらかの障害が発生していると考えられています。脳から体の運動器官に対する命令がうまく伝達できなくなることによって、自分が思うように体を動かすことができなくなります。そうすると体を支えている筋肉が弱ってしまい筋力が低下してしまうという悪循環が発生します。
非常に珍しい病気ではありますが、日本では1年間に10万人に1.1〜2.5人程度が発症しており、好発年齢はシニア世代といわれる60~70歳代です。男女比で表すと1.3〜1.4対1.0の割合で男性のほうが女性に比較して発症率が高くなる傾向があります。
ALSの発生の原因はまだ正確には解明されてはいませんが、老化による神経細胞の変性と細胞の減少が関連しているといわれています。そのほかにも神経伝達物質である興奮性アミノ酸の代謝に異常があるという学説や、活性酸素などのフリーラジカルが関係しているという学説もありますが、それに対する結論は出ていません。
このようにALSに対する有効な治療法はまだ確立されていないのが現状ではありますが、現在も多くの医療従事者が日々研究を続けています。そのような状況のなかで、最近の研究では筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療に対して幹細胞を用いた治療が有用であることがわかってきました。病気の症状を回復させることや、進行を遅らせることが学会で報告されています。都内の一部のクリニックでは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者様に幹細胞治療を提供していますが、通院が困難であることが多いため、現実的には治療が困難です。しかしながら、幹細胞点滴と同様の効果をもつ幹細胞由来培養上清液の点鼻は、自宅で治療を行うことができます。
■必ず確認をお願いします。
現在、臍帯由来幹細胞培養上清液を利用した認知症、脳梗塞後後遺症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療については、診療をご希望いただく場合に以下の点にご理解をいただける場合のみ治療の適応とさせていただいております。
1.治療効果については未だハッキリとした機序が判明しておらず、また効果が認められる場合にもその効果には大きく個人差があります。
2.日本国内では、乳歯髄由来幹細胞培養上清液を利用した名古屋大学の報告によりマウスを使った実験において有為な結果が報告されているに留まります。(文献1)
3.認知症やアルツハイマーの場合、効果が現れたとしてもその測定が難しく、あくまで患者様やそのご家族の判断によって治療効果の判定及び治療の継続をお願いしております。
4.現在まで本治療による副作用の報告はなされておりませんが、将来的にも副作用がないとは申し上げられません。
5.治療はあくまでも症状の抑制を狙ったものとなり、本治療で症状の改善が見込まれるとのお約束はできません。
6.当クリニックでは認知症、脳梗塞後遺症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の確定診断は行っておりませんので、他の医療機関で診断を受けている方のみが対象となります。又、主治医のいらっしゃる方は必ず主治医にもご相談いただいた上での治療となります。
■治療方法
投与方法は最も脳への薬物移行が早いと言われている痛みを伴わない点鼻になります。
症状の改善効果を高めるためには、まず1-2週間おきに、点鼻を行います。
※維持:4週間おきに点鼻を行うのがおすすめです。
通院される場合、通院回数や期間については医師にご相談ください。
■料金(1クール:6回で、約25万円)
1回1アンプル 39600円(税込)これを1-2週間間隔で6回行い、評価をします。
初診料:2200円(税込)、再診料1100円(税込)
※(準備中)遠方で当院を受診できない患者さまは、オンライン診療(1100円(税込))で診察を行い、お薬はクール宅急便で、ご自宅のお送りします。また、梱包代2200円(税込)と着払いでの受け取りになります。